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G3府中牝馬S 2018
ここ2年は波乱もなく、順当な決着でしたが、
2桁人気が勝ってしまう事もあるレース。
非根幹距離の重賞なので、
すこしズレた適性を持つ穴馬が
頑張ってしまったりするんでしょうね。
目次
出馬表と予想人気
今年は11頭立てと小頭数。
出馬表の右端の数字は「予想人気」です。
1 | 1 | クロコスミア | 牝5 | 55 | 岩田 | 西浦 | 6 |
2 | 2 | フロンテアクイーン | 牝5 | 54 | 蛯名 | 国枝 | 7 |
3 | 3 | ソウルスターリング | 牝4 | 55 | 北村宏 | 藤沢和 | 3 |
4 | 4 | ディアドラ | 牝4 | 56 | ルメール | 橋田 | 1 |
5 | 5 | キョウワゼノビア | 牝5 | 54 | 田中勝 | 角田 | 11 |
6 | 6 | ジュールポレール | 牝5 | 56 | 幸 | 西園 | 5 |
6 | 7 | メイズオブオナー | 牝4 | 54 | 福永 | 藤原英 | 10 |
7 | 8 | アドマイヤリード | 牝5 | 55 | 田辺 | 須貝 | 8 |
7 | 9 | カワキタエンカ | 牝4 | 54 | 池添 | 浜田 | 9 |
8 | 10 | リスグラシュー | 牝4 | 54 | デムーロ | 矢作 | 2 |
8 | 11 | ミスパンテール | 牝4 | 55 | 横山典 | 昆 | 4 |
2桁人気の出番が有るのかどうか・・・
調教偏差値と脚質傾向
各馬の調教診断と近走脚質は表の通り↓↓↓
表の見方が分からない時は「EZ-WIN取説」で確認してくださいね(*^^)v
ちなみに脚質傾向は・・・
「近3走以内に先行経験」
「近3走以内に上り3位以内」
というのがこのレースの好走傾向。
なんですけど・・・
今年は全馬が該当してしまいます。。。
てなことで、別の項目で早速分析を始めたいと思います。
チェックする項目は・・・
1.非根幹距離適性
2.血統診断
3.ラップ適性
このレースの傾向として、ほぼスローペースからの瞬発戦です。
それも、1Fごとの区間タイムの波が非常に大きくなる傾向が有り、
「大きく加速して、最後の1Fで大きく減速する」
みたいなラップパターンを刻むケースが目立ちます。
なので・・・
そういうラップパターンで勝ち負けしてきた馬をチェックします。
もちろん、今年も必ずそうなると決まってる訳じゃぁありません。
あくまでも、一つの指標という事で考えて頂ければと(*^。^*)
以上の3項目をチェックします。
全頭チェック
①クロコスミア
1.非根幹距離適性 ◎
昨年の優勝馬ですし、2200mのG1エリザベス2着
ローズステークスも2着でした。
2.血統診断 ◎
上に同じです。
3.ラップ適性 ◎
昨年が正にこのレースを代表するようなラップでした。
②フロンテアクイーン
1.非根幹距離適性 ○
1800mの重賞で3度2着しており、
未勝利戦・1600万クラスを1800m戦で勝ち上がっています。
2.血統診断 △
父が欧州型ノーザンダンサー系であるサドラーズ系は、
このレースでは1度も馬券になっていない系統です。
2010年・2012年と飛び石で2度馬券になった
スマートシルエットの父ファルブラヴが欧州型ND系で、
ここ10年で馬券になった欧州型ND系はこの馬だけ。
ただ、コースとしては、サドラーズ系の
近3年間の複勝率は28%程度あり、
絶望的なわけではないでしょう。
せめて、4L系統に欧州型ナスルーラがあれば、
もう少し評価を上げれるんですけど・・・
3.ラップ適性 ◎
勝ち味に遅いこの馬が、上級条件で唯一勝ったのが、
東京1800mの1600万クラスでした。
その時のラップパターンは、
想定されるこのレースのラップとドンピシャです。
③ソウルスターリング
1.非根幹距離適性 ▲
前走3着が1800m重賞。
2歳のOP特別アイビーSで東京1800mを勝っており
まぁ、適性は有るのかな?とも思いますが・・・
毎日王冠では大きく負けており、ちょっと良く分からないですね。
お父さんがマイルの鬼で、お母さんは根幹距離G1を5勝。
やはり本質は根幹距離と考えるのが妥当かもですね。
2.血統診断 ?
父フランケルは欧州型ND系サドラーズ系種牡馬。
お母さんは欧州スターリング系Monsun産駒。
4L系統が全て欧州型で固められる配合で、
時計の速い東京より洋芝の北海道向きの印象。
それを考えると、前走で洋芝の札幌で
勝てなかったのは「早熟なん?」と思わせる結果。
ただ、フランケル産駒の当コース成績は悪くなく、
【2・0・1・2】で複勝率60%
確率的には「今回は来る順番」かも(*^。^*)
3.ラップ適性 ▲
スローペースの瞬発戦で勝ち鞍が有る一方で、
毎日王冠の、このレースの代表的なラップと
同じようなラップパターンでぼろ負け。
前走も、ミドルペースながらラップパターンは
加速ラップの瞬発戦で、ディアドラに突き放される内容。
阪神JFや、チューリップ賞を勝った
前傾ラップ(前半3Fが後半3Fより速いラップ)に
この馬の本領が有るんじゃないかと。
血統を考えても、持久戦の方が得意なハズ。
④ディアドラ
1.非根幹距離適性 ○
前走が1800m重賞勝ち。
2走前はドバイのG1で3着。
まずは適性が高い方だと思われます。
2.血統診断 ○
ハービンジャー産駒の当コース成績は、
近3年で複勝率33%と悪くない成績。
また、母がサンデー系と言うのもOK(*^^)v
父母ご両家のおばあ様は共に欧州型。
このパターンは、近5年の3着以内馬15頭中
11頭が該当する「良縁」パターン。
3.ラップ適性 ○
距離の適性は1800~2000mと非常に狭いものの、
対応できるラップパターンには非常に幅がある馬。
適距離ならば、どんな流れでも確実に複圏入線を果たすタイプ。
ただ、あまりにも1F毎のラップタイムの差が大きくなると
どうなるのかは不明で、もし今回勝てないとすれば、
そう言う流れになった場合かも。
⑤キョウワゼノビア
1.非根幹距離適性 △
1400mに勝鞍はあるので、全くダメではない感じ。
2.血統診断 △
ハーツクライ産駒の当コース成績は「複勝率23%」
穴をあけるイメージでは無く、複勝回収率は66%と低め。
また、母父「米国型ミスプロ」とは、このコースでは相性がイマイチ。
3.ラップ適性 ×
どちらかと言うと、区間タイムの変動幅が
小さい「小波ラップパターン」を得意としている印象。
⑥ジュールポレール
1.非根幹距離適性 ○
非根幹距離経験は1000万クラス時代の1800m1着と
G1エリザベス女王2200m16着の2回。
2200mはこの馬には明らかに長く参考外。
1800m戦は、1000万クラス時代を共にしていた
「後の重賞ウイナー」が揃った中々の1戦でした。
特に、2着に抑え込んだアドマイヤリードは、
その後G1ヴィクトリアマイルを勝ちました。
かなりレベルの高い1戦だったので、「適性アリ判定」です。
2.血統診断 ○
ディープ×欧州型ND系は非常に相性のいい組合せ。
ただ、母方の祖母が欧州型ではなく米国型ミスプロ系
と言うのが少しだけ残念なポイント。
3.ラップ適性 △
極端な瞬発戦では勝てておらず、
どちらかと言うと「消耗型持久戦」「平坦ラップ」
が得意なラップパターン。
ツボを外すと、意外な程コロッと負けたりする馬。
⑦メイズオブオナー
1.非根幹距離適性 ×
2.血統診断 △
父ハーツクライに母父欧州型ND系で、さほど悪くないイメージ。
ただ、キョウワゼノビアのところで書いたように、穴血統では無く、
能力差をひっくり返すという期待感は持ちにくいところ。
3.ラップ適性 ○
1600万で勝った、うずしおSがドッカンターボ的な瞬発戦。
それを先行して残せたのは評価しても良さそう。
⑧アドマイヤリード
1.非根幹距離適性 ○
昨年の3着馬。
1000万・1600万と連勝したのも1800m。
2.血統診断 ○
昨年3着という事で、ケチをつけるところは無しです。
昨年1着のクロコスミアも同じステイゴールド産駒。
そして、どちらも母父が米国型ダート血統。
ステイゴールド産駒をこのコースで好走させる
なにかが有るのかも。
3.ラップ適性 ◎
ヴィクトリアマイルを勝った時のラップパターンは、
今回の想定ラップパターンで、流れが合えば復活ののろしも。
⑨カワキタエンカ
1.非根幹距離適性 ◎
1800mしかダメなタイプ
と言っても言い過ぎじゃない「1800m巧者」
2.血統診断 ◎
ディープ産駒が複勝圏内の3割以上を占めるこのレース。
またヴァイスリージェント系も当コースと非常に相性が良く、
血統だけなら文句なしの1頭。
3.ラップ適性 ○
俺まで勝ったレースは全てスローペース。
池添騎手も相性が良く、この馬の勝たせ方を心得ているはずで、
おそらく、スローに持ち込む事を考えているはず。
後は、能力が足りるか、府中の長い直線を耐えきれるか?
⑩リスグラシュー
武豊騎手からMデムーロ騎手に乗り替り。
オーナー・厩舎の意気込みが伝わって来そうですね。
1.非根幹距離適性 ▲
非根幹距離の経験は、
G1エリザベス8着と未勝利1800m1着の2度。
好走レンジは1600m~2000mで、エリザベスは距離が敗因。
重賞で通用するだけの適性が有るかどうかは分からないですが、
この馬もディアドラ同様、守備範囲の距離なら恰好は付けてくるタイプ。
2.血統診断 ▲
このコースでは、人気で勝ち切れず、穴は走らない「ハーツクライ産駒」。
ただ、母父が欧州型で、両祖母が欧州型ナスルーラ系と言うのは加点材料。
と言うのも、過去5年で、3着以内に入線した15頭の内、
9頭が祖母に欧州型ナスルーラを持っていました。
3.ラップ適性 ◎
スローペースの瞬発戦がこの馬の本領。
今回は1F長いかもですが、そこはモレイラ騎手の騎乗停止で
モチベーション↑のデムーロ騎手が、鬼の居ぬ間にキッチリ勝ちに来るでしょう。
⑪ミスパンテール
1.非根幹距離適性 ▲
1800mのローズSはボロボロでしたが、
同じ非根幹距離の1400m重賞を勝っています。
年を重ねて距離に幅が出る馬も多く居るので、
1800mは長い!と決めつけるのは危険かも。
2.血統診断 ○
ダイワメジャー産駒の当コース成績は「複勝率32%」
この数字は、ディープ産駒の複勝率と変わりません。
また、連対率が中々高く「28%」。
そしてお母さんが欧州ロベルト系で、両祖母に
「ノーザンテースト」と「ニジンスキー」を持ち、
底力・持続力を補完できるだけの血統背景と言えます。
3.ラップ適性 ◎
準OPから重賞3鞍の4連勝は全てスローペース。
特に阪神牝馬Sのラップパターンは、
このレースの想定ラップと通じるものがあり、
距離がもつようなら、リスグラシューとの
壮絶な追い比べが見られるかも。